クラウド型の運営基盤
安定稼働と継続的な機能強化を見据えたチケット管理基盤を構築
2026年09月03日
東京スカイツリー様
より快適なチケット購入体験の提供と、将来を見据えた施設運営の実現に向けてチケット管理システムを刷新。パナソニック デジタル株式会社との連携のもと『Smart Hello チケット』を導入し、販売・予約・入場管理を一元化するとともに、新たな運営基盤を構築しました。
2026年3月よりWebチケット販売・Web団体受付を先行稼働し、同年4月より窓口・セルフ発券機・入場ゲートなど現地運用を段階的に稼働。現在も安定した運用を継続しながら、来場者の利便性向上と運営効率化を支えています。

東京スカイツリー様では、チケット販売・予約・入場管理を一つの基盤に集約し、来場者サービスと施設運営の双方を支える仕組みを整備しました。
安定稼働と継続的な機能強化を見据えたチケット管理基盤を構築
Web販売、団体予約、窓口・現地運用、入場管理を同一基盤で運用
Web団体受付や直接入場(ダイレクトイン)など、利用しやすさと業務効率化を両立
本事例では、東武タワースカイツリー株式会社のご担当者3名にご登場いただきました。チケットシステム刷新の背景や選定のポイント、プロジェクト推進時の取り組み、導入後の成果について詳しくお話しいただいています。

鈴木 泰弘 様

鈴木 健大 様

佐藤 彩子 様
──まずは、東京スカイツリーについてご紹介ください。

東京スカイツリーは、高さ634mを誇る世界有数の電波塔であり、国内外から多くのお客様が訪れる東京を代表する観光施設です。2012年の開業以来、多くのお客様をお迎えし続け、2024年9月には展望台来場者数累計5,000万人を達成しました。
多くのお客様をお迎えする大規模施設として、安全・安心な施設運営を前提としながら、お客様体験の向上と業務効率化の両立を継続的に進めています。今回のチケットシステム刷新も、その取り組みの一環として位置づけています。
──『Smart Hello チケット』導入前は、どのような課題を感じていましたか。
東京スカイツリーでは、開業以来利用してきたチケット販売・入場管理システムを長年運用してきましたが、システムの保守期限が近づいていました。
また、長年の運用の中で個別対応やカスタマイズが積み重なり、今後の事業環境や来場者ニーズの変化を考えると、販売・予約・入場管理をより効率的かつ安定的に運用できる新しい基盤が必要だと考えていました。
特に、Web販売の拡大、団体予約業務のデジタル化、販売チャネルの多様化、販売・来場データの活用基盤整備など、将来を見据えた運営基盤への刷新が大きなテーマとなっていました。
──新しいチケットシステムを検討することになった背景を教えてください。
2024年に既存チケットシステムの保守期限到来や将来的な施設運営を見据え、本格的にシステム更改の検討を開始しました。
東京スカイツリーでは開業以来、チケット販売・入場管理システムを継続利用してきましたが、システムの保守期限が近づいていたことに加え、長年の運用の中で個別対応やカスタマイズが積み重なっていました。
また、今後の事業環境の変化や来場者ニーズへの対応を考えると、チケット販売、団体予約、Web販売、入場管理、売上管理などをより効率的かつ安定的に運用できる基盤への刷新が必要だと考えました。
──比較検討する中で、どのような点を重視されましたか。
最も重視したのは、単なるシステムの更新ではなく、東京スカイツリーの将来を見据えた販売・運営基盤を構築できることでした。
従来の運用では、システムの老朽化や運用負荷の増大に加え、電話やFAXを活用した団体予約受付や、窓口販売を含む既存運用についても一定の役割を果たしていましたが、近年のお客様ニーズや市場環境の変化を踏まえ、さらなる利便性向上や業務効率化が求められていました。
具体的には、ヴァリアブルプライシングへの対応や、Webチケット購入から直接入場までをシームレスにつなぐ仕組み、団体予約Webサービスによる団体予約業務のデジタル化など、来場者の利便性向上と運営効率化を両立できることを重要な要件としていました。
また、販売・予約・入場管理を一つの基盤で統合し、販売チャネルや在庫の一元管理に加え、販売データや来場データを今後のマーケティング施策にも活用できるような拡張性も重視していました。
当時の『Smart Hello チケット』は、私たちが求める仕組みとしてはまだ足りない部分もありました。しかし、システム ディの皆さんからは、私たちが実現したいことを一から考え、責任を持ってやり切ると断言していただいたことで、任せてみようと思いました。
単なる更改ではなく、今後の販売施策や施設運営を支えられる基盤であることを重視。
Web購入から直接入場(ダイレクトイン)までをシームレスにつなぎ、混雑時でもスムーズに利用できる体験を重視。
団体予約Webサービスにより、電話・FAX中心の従来業務を見直し、業務負荷の軽減につなげることを重視。
販売チャネルや在庫、販売・来場データを一元管理し、将来のマーケティング施策にも活用できることを重視。
──最終的に『Smart Hello チケット』をご採用いただいた決め手を教えてください。

RFP(提案依頼)を通じて複数ベンダーから提案を受け、機能面はもちろん、大規模施設への導入実績や施設運営との親和性、将来性、プロジェクト推進体制などを総合的に評価した結果、『Smart Hello チケット』の採用を決定しました。
今回の選定では、製品の機能だけではなく、東京スカイツリーが目指す将来の運営モデルを実現できるかという視点を重視しました。
当社では、Web販売の拡大や団体予約Webサービス、直接入場、ヴァリアブルプライシングの導入、さらには販売・来場データの活用など、将来的に実現したい運営構想を明確に描いていました。一方で、東京スカイツリーならではの運用要件も多く、選定時点ですべてを標準機能だけで実現できる製品はありませんでした。
そのような中、システム ディには運用整理の段階から当社の業務や課題を深く理解いただき、標準サービスをベースとしながらも、当社が目指す将来像をどのように実現していくかについて、具体的なロードマップとともに提案いただきました。
現時点での機能適合度だけではなく、標準サービスの進化を活用しながら継続的な価値を得られること、将来を見据えたサービスの方向性について納得感を持って議論できたことが、大きな決め手になりました。
また、本プロジェクトではパナソニック デジタル株式会社が全体推進を担い、運用整理や関係各社との調整に加え、BI基盤の再構築や会計システム連携など、運営基盤全体を見据えた支援を実施いただきました。
システム ディとパナソニック デジタル株式会社が連携し、それぞれの強みを活かしながらプロジェクトを推進したことも、安心して導入を進められた大きな理由の一つです。複数のシステムや関係会社が関わる大規模プロジェクトにおいて、技術面だけでなくプロジェクトマネジメントの面でも一貫した支援体制を構築いただいた点を高く評価しています。
──導入プロジェクトはどのように進められましたか。
2024年にRFP(提案依頼)を実施し、同年9月に採用ベンダーを決定しました。その後は、運用整理・要件整理から設計・構築、各種テスト、データ移行、本番稼働まで、段階的にプロジェクトを進めていきました。
今回の特徴は、単なるシステムの置き換えではなく、東京スカイツリーが将来目指す運営モデルの実現を見据え、業務や運用そのものを見直しながら進めた点にあります。
特に要件整理のフェーズでは、毎週4時間程度、多い時には週に2回、1回あたり5時間に及ぶ打ち合わせを実施しました。東京スカイツリーならではの複雑な運用や細かな業務要件についても、真摯に耳を傾け、課題を一つひとつ汲み取っていただいたことに感謝しています。

複数提案を機能・実績・推進体制から総合的に評価
適合性と将来性を評価
受入テスト、データ移行テスト、教育を段階的に実施
受入テスト、データ移行テスト、教育を段階的に実施
Webチケット販売・Web団体受付を先行して本番稼働
窓口・セルフ発券機・入場ゲートなどへ展開
段階稼働:365日営業する施設への影響を最小限に抑えるため、2026年3月にWebチケット販売・Web団体受付を先行稼働し、2026年4月に窓口・セルフ発券機・入場ゲートなどの現地運用へ展開しました。
※本プロジェクトでは、カスタマイズ開発を前提とする「要件定義」ではなく、標準サービスを前提に、現行業務・課題・将来の運営像を整理する「要件整理」を重視して進めています。
──本番移行に向けて、どのような準備を行いましたか。
本番移行に向けては、運用テスト、受入テスト、データ移行テスト、教育・トレーニングを段階的に実施しました。本番判定会ではテスト結果、データ移行状況、教育状況、残課題の管理状況を確認し、営業への影響を最小限に抑えながら移行を進めました。
システム ディおよびパナソニック デジタル株式会社には、要件整理から本番切替時の立会い、稼働初期のサポートまで一貫して伴走いただきました。
──実際に運用される中で、特に評価している点を教えてください。
東京スカイツリーでは、チケット販売から入場管理までを支える新たな基盤として運用を開始しました。運用開始後は安定した稼働を続けており、クラウド化による運用負荷の軽減や、現場業務の利便性向上などの効果を実感しています。
導入後は大きなトラブルもなく安定稼働を継続しています。ゴールデンウィークを含む繁忙期も安定した運用を実現しており、多くのお客様をお迎えする東京スカイツリーの運営を支える基盤として安心して利用しています。
クラウドサービスへの移行により、サーバー管理やソフトウェア更新などインフラ運用の負荷が軽減されました。運営面での負担が減り、より本来の業務に注力しやすい環境につながっています。
販売・予約・入場に関する情報を一つの基盤で管理できるようになり、販売状況や予約状況を把握しやすくなりました。必要な情報を確認しやすくなったことで、日々の運営をスムーズに行えるようになっています。
今回の刷新は、安定した運営基盤の構築に加え、運用負荷の軽減や現場業務の改善につながる取り組みとなりました。
新しいシステムである以上、現場からは今後さらに改善していきたい点や慣れが必要な部分についての声もありますが、総じて「変えてよかった」「変えてくれてありがとう」という前向きな評価が多く寄せられています。
──システム刷新によって、どのような効果がありましたか。
今回の刷新により、チケット販売・団体予約・入場管理・売上管理を一つの基盤で運用できるようになり、業務全体の見通しと管理性が大きく向上しました。現在は、チケット販売窓口や団体予約業務、運営管理部門など、多くのスタッフが日常的に利用する基幹システムとして活用されています。
──今後の展望、『Smart Hello チケット』への期待を教えてください。
今回のプロジェクトを通じて、団体予約Webサービスや直接入場、ヴァリアブルプライシングなど、東京スカイツリーが目指す運営モデルの基盤を整備することができました。今後は、その基盤を活かしながら、さらなる利便性向上や運営高度化につながる機能拡充に期待しています。
欲張りなので「もっとこうだったらいいな」という要望はまだあります。より多くの施設で導入が進み、サービスの拡充や改善が積み重ねられることで、その成果が東京スカイツリーにも還元されていくことを楽しみにしています。
今後は、データ分析機能のさらなる高度化や販売施策の柔軟性向上、各種販売チャネルとの連携強化など、クラウドサービスならではの継続的な機能拡充に期待しています。
東京スカイツリー特有の運営課題やニーズを理解し、単なるシステムベンダーではなく、事業運営を支えるパートナーとして、継続的な提案やサービス向上を期待しています。
──最後に、同じような課題を抱える施設の運営担当者へメッセージをお願いします。

『Smart Hello チケット』は大規模集客施設やテーマパーク、展望施設、観光施設、文化施設など、多様な販売チャネルや複雑な運営要件を持つ施設にとって、有力な選択肢の一つになると感じています。
販売・予約・入場管理を一元化できることに加え、団体予約Webサービスや直接入場、販売チャネルを横断した在庫管理など、来場者の利便性向上と運営効率化を両立したい施設に適した仕組みだと感じています。
また、単なるシステム更新ではなく、将来の事業運営を支える基盤づくりを重視する施設にとっても、参考になる取り組みだと考えています。運用整理から本番稼働まで、施設の業務や将来構想を理解しながら伴走してもらえたことが非常に印象に残っています。
クラウドサービスとして他施設で培われた知見や改善内容がサービス全体へ反映され、継続的な機能向上が期待できる点も魅力の一つです。東京スカイツリーでも、今回構築した基盤を今後のサービス向上や事業展開を支える重要な土台として活用していきたいと考えています。
私たちのように多くのお客様を受け入れる大規模な観光施設でも、十分に対応できるシステムだと思います。ほかの施設での導入が増え、さらにバージョンアップしていくことにも期待しています。
株式会社システム ディ
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