コラムcolumn
2026年05月20日
支出の予算科目について

自治体における「支出」「歳出」「予算」という言葉を整理したいと思います。まず「支出」とは、お金を支払うということです。ここでいう支出は、あらかじめお金の使い道を決めた予算の範囲内での支出ということになります。1件1件の伝票の段階では「支出」ということになります。
一方、「歳出」とは自治体の会計年度の1年間の支出のことをいいます。この歳出が、決算の数字になります。
ここでお金の使い道を整理する必要が出てきます。そのために、予算の時に「款・項・目・節」という科目でお金の使途を区分します。
「款」は最大の分類で、「項」は「款」の細分類、「目」は「項」の細分類、「節」はさらに「目」の細分類となっています。分類にも目的による分類と性質による分類となっています。例えば、小学校の学校管理用で消耗品を購入する場合だと、「款」が教育費、「項」が小学校費、「目」が学校管理費となります。このように、消耗品がどのような部署でどんな目的で使用されるのかを分類するためのものです。一方、「節」は支出する内容の性質による分類となります、消耗品の購入ですので需用費ということになります。実務では、需用費の内訳として、細節として消耗品費、燃料費、食糧費、印刷製本費などと区分しています。
わかりやすく言えば、予算科目ごとに財布を持っているということです。会計課での伝票の支出のチェックをするときに、目的別での支出内容は、予算措置がされているかどうかのチェックはできても、例えば消耗品の支出がどの事業の支出まではわからないのが現状です。節については性質別ということですから、この性質に合った支出項目は会計課で確認することができます。
ここで、間違いやすい支出科目の具体的な事例を紹介したいと思います。担当課から「ガラスの取替をすることになったので、どの予算科目から支出したらいいですか」と尋ねられたとします。そのとき、その質問の文言だけで「修繕料」「消耗品費」「原材料費」などのうちどの科目かを即答したとするならば、それは職員が過去に経験した内容を答えたにすぎません。今回の事例の場合は、どのような状況かによって支出科目が違ってきます。
ガラス業者に依頼して修理をしてもらった場合は、ガラス代金に修理の手間賃が含まれているので需用費の中の修繕料が適当。
職員がホームセンター等で購入し、加工することもなくそのまま割れたガラスと取り換えた場合は、需用費の中の消耗品費が適当。
職員がガラスをホームセンター等で購入したが規格外のため職員がガラスのサイズをやすりなどで加工した場合は、需用費とは別の節である原材料費が適当。
このように、事例によって支出科目が異なることを紹介しました。実務を行う上で、どの「節」に入れるべきか不明確なものが出てくることがあると思いますが、私の個人的意見としては、大体同じ性質の「節」に入れれば、それほど難しく決めてかからなくても、法律上の効力に影響するものではないのかと思います。
システムディ顧問 宮澤 正泰(元習志野市会計管理者)