コラムCOLUMN

2015/12/01

2015.12 姉さん六角 京の道…京都最北のスマートストリート『北山通』

北山通 1985年に全面開通した京都市内最北で最新の幹線道路である。京都駅辺りとの高低差は約50m。松ヶ崎・上賀茂の住宅街のすぐ北側には、五山の送り火『妙法』の小高い丘陵が見え、そこから北山へと連なる。
 かつては、すぐきや聖護院蕪、賀茂ナスなどの京野菜の盛んな田園地帯だったこの地に、修学院まで幹線道路が通じると、折からのバブル景気もあって、たちまち最新の現代建築が立ち並び、ハイセンスなブティックやカフェが出店してお洒落な若者の街に変貌した。

 地下鉄烏丸線の北山駅から松ヶ崎駅までの通りの南側には、「日本一面白い 心やすらぐ府立植物園」や花博から移築された「安藤忠雄氏設計の陶板名画の庭」、「京都唯一の磯崎新氏設計の京都コンサートホール」、「京都に関する専門資料館である府立総合資料館」など文化観光施設が集積し、鴨川堤も含め春夏秋冬、頭も体もバージョンアップできる。

北山通 また通りの一本北側のかつての表通りである「社家町の通り」には、上賀茂神社から流れてくる明神川に沿って風格ある古民家が並び、モダンな北山通との違いを楽しめる。さらに足を延ばして平安時代からの様式を保つ「社家庭園の西村家住宅」を経て上賀茂神社にも参拝したい。

 地下鉄を利用すれば駐車場探しの手間もなく、酒気帯び運転の懸念もなく、そしてバク買い観光客の喧騒もなく、ゆったりと現代文化と歴史遺産を楽しめるスマートなストリートだ。

 冬には零下になることもしばしば。その寒さが、一層冬の京都を際立たせ、冬の楽しみを与えてくれる。Wedding教会の周辺一帯では12月1日から12月25日まで15,000㎡にわたって10万球の電飾が輝き、府立植物園では12月12日から25日まで夜間観覧が催されて、観覧温室がライトアップされ、樹々や花壇がイルミネーションで浮かび上がって幻想的な世界を楽しませてくれる。
 これもまた京都の冬なのである。(M)

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