コラムCOLUMN

2014/06/02

2014.06 ミステリアスin京都 Japanのシンボル『八咫烏』

 6月、いよいよワールドカップブラジル大会の開幕である。ザッケローニがJapanを指導して3年半、テクニックとチーム力を発揮する時が来た。チームシンボルは三本足のカラス『八咫烏』。

 九州から海を渡って熊野に上陸した神武天皇は、従軍してきた八咫烏の先導で大和へ進攻したとか…。古事記に記された神話の世界であるが、話の随処に「ソッカ!ソッカ!」と頷けるような史実もまた見え隠れし、その解釈を巡って多くの説が論じられている。

 おそらく八咫烏とは健脚の山の民だったのだろう。空を飛ぶよりも素早く山野を駆け巡る黒衣の姿は、足が三本に見えるほどだったに違いない。カラスというよりは『ヤンバルクイナ』を連想するが、時には先遣隊も務めた八咫烏達の活躍で各地の豪族を平定し、現宇陀市を経て畝傍山の麓の橿原に都を造って大和朝廷が誕生した。

 大和平定の武功で厚遇された八咫烏の長が鴨建角身命(かもたけつねみのみこと)。その一族は大和朝廷の勢力の拡大とともに京都に移り住み、県主として平安京建都の前準備に貢献した。その氏神が鴨川流域の上賀茂・下鴨神社である。下鴨神社では毎年1月4日に『蹴鞠初め』が奉納され、サッカー選手との縁も深い。(M)

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