コラムCOLUMN

2014/03/03

2014年3月 京のゲート 吉を呼び込む『平安神宮の大鳥居』

 平安神宮のゲートというよりは、岡崎公園のランドマークのような大鳥居。高さ24.4m。日本で五指に入る朱塗りの大鳥居である。
 創建は意外に新しく昭和4年、平安神宮の数百m南側の参道に建てられたが、その平安神宮自体がナクヨウグイスの1100年記念事業として明治28年の創建。平安時代の内裏を8分の5に縮小して再現された。平安神宮の出入り口としてはこれも立派な朱塗りの応天門があり、この鳥居はいわば神聖なエリアの結界として建てられたものだろう。

 このコンクリート製の巨大な鳥居の柱の根元には、人一人が入れるような扉がついている。中には階段があって最上部まで昇れるとか。鳥居の横木に投げ上げられた石を除去するためだそうだ。

 元々鳥居は、古代中国夏・商(殷)時代に、出陣の際鳥が留まれば勝利するという吉凶占いの止り木のようなものを城郭の出入口や王の居宅の前に建てたのが始まりだと思われる。それが鳥居の上に石を投げて横木に乗れば幸運に恵まれる民間信仰として今に繋がっているのかと、5000~6000年も変わらぬ発想の可笑しさを思う。(M)

(平安神宮の大鳥居は、岡崎公園の神宮道にあり、京都本社より東に徒歩25分です)

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