コラムCOLUMN

2013/08/01

2013年8月 京のゲート-神仏が集う岩清水八幡宮の南総門

 京都の南西部にある男山は、裏鬼門である。木津川・宇治川・桂川の三川合流域を挟んで、対岸の天王山と対座する都への出入り口にあり、山崎の合戦を始め、鳥羽伏見の戦いなど攻防の地であった。
 この男山の山頂に岩清水八幡宮が祀られている。

 創建されたのは平安時代初期であるが、その後都の鎮護として特に源氏等の武士によって厚く信仰された「ヤワタのハチマンさん」は、本地垂迹や神仏習合、廃仏毀釈などの人間の都合で、菩薩になったり神に戻ったりしながらも八つの幡=多くの神仏(最近ではエジソンも祀られている)が集って、戦勝祈願や厄除けを祈ってきたとされる。

 春は桜、秋は紅葉の名所でもあり、毎月何かしらイベントがあって参拝者が絶えない。多くの神や仏そして人々がこの男山に集うのは、京都・奈良・大阪の結節点という地の利の良さや、年中湧出る岩清水もあるが、何より京都では珍しい冬暖かく夏は涼しいという居心地の良さによるのかも知れない。

 今年から、8月31日まで夜間特別拝観が行われている。ライトアップされた南総門から徳川家光によって改築された本殿を眺めると一層煌びやか、八幡の竹で電灯を量産したエジソンさんもご満悦だろう。(M)

(岩清水八幡宮は京阪電車八幡市駅下車、ロープウェイで4分の男山山頂にあり、京都本社から約40分です)

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