コラムCOLUMN

2013/03/01

2013年3月 京の水-京都御苑・九條池

 京都の真中にある京都御苑は、東西700m南北1300mの長方形の緑溢れる公園で、近衛池やトンボ池など幾つかの水辺もあり、街中にありながら昆虫の種類も量も多く、従って野鳥の楽園でもある。

 その形から勾玉池とかつては呼ばれていた九條池もその一つで、水中には鯉や亀が、水面には鴨がゆったりと泳ぎ、青サギが佇む岸辺には時にかわせみがその煌びやかな姿を見せてくれる。

 五摂家の一つである九条家の邸宅跡にあったこの池の畔には、歌会や茶会が催されていた数寄屋造りの瀟洒な拾翠亭、珍しい唐破風の鳥居の厳島神社などが、四季折々の花樹と共に往時の公家文化を今に伝えている。が、人の立入りできない築山には、いつの頃から住みついたのか?十数匹の猫達が、世間の喧騒をよそに優雅に昼寝を楽しんでいた。(M)

(九条池は、京都本社より北へ徒歩10分、京都御苑の西南に位置しています)

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