コラムCOLUMN

2012/04/01

2012年4月 京の水-神泉苑

京都は水の都でもある。高野川―鴨川、保津川―桂川と2本の大きな河川が都の両端を流れ、かつ伏流水となって豊かな水文化を生み出してきた。しかし、かつては至る所で流れが氾濫し、低地の京都盆地の中央は大きな沼沢のある湿地だったようだ。

平安京の造営はこの水の対策も大きな課題であった。都のコア=内裏の建設は、内裏の南側に大きな池を中心とした庭園を築造し、その水を取込むことから始まった。その回遊式庭園が、現存する日本最古の庭園―神泉苑である。

空海の雨乞い祈祷や祇園祭の起源となった怨霊鎮護会、或いは義経と静御前の出会いなどの数々の逸話を残した神泉苑は、二条城築城の際に大幅にカットされたものの、今も京都のメインストリート『御池通り』にその名を残し、満々と水を張ったお池は静かに京都1200年の時を刻んでいる。 (M)

(神泉苑は堀川通り御池西入るにあり、京都本社から徒歩15分の距離です)

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