コラムCOLUMN

2010/09/01

2010年9月 京の花-丹波の栗

2010 September 実りの秋を迎え、天高く“栗”肥ゆる秋…と言いたいが、今年は余り期待できそうにない。
 京野菜の一つにあげられる丹波の栗も、ゲリラ豪雨で花芽を散らされ、猛暑で枝先まで水分が届かず実入りしないまま落下しているとか。

 丹波の栗は肥沃な土地で丹精込めて育てられた。大振りな粒にも拘らず滋味豊かな味わいは、蒸しても焼いてもホクホクと美味しく、炊き込みご飯や京料理、京菓子など大江の松茸と並ぶ代表的な京の秋の味覚である。

 他方で、天津栗に代表される中国の栗は、水分の乏しい岩盤地に自生し、その分小ぶりではあるが鉄分等のミネラルを多く含み、甘味を付けた焼き栗として好まれる。

 ハングリー精神旺盛な天津栗が出回っても、量は少なくとも上品で繊細、かつ肉質豊かな丹波栗の味わいは格別である。(M)

一覧へ戻る