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コラム

2017.07 京の庭・京の広場 八坂の塔の街角広場…歴史と観光の交差点

八坂の塔 八坂神社と清水寺のほぼ中間辺りにある法観寺には、寺院につきものの庭園が無い。聖徳太子の創建で平安京建都以前からあったとされているが、都になる前からこの一帯に住み着いていた渡来系の八坂族が、祇園社(現八坂神社)とともに守護寺として建立したようだ。変遷を経て、今は臨済宗建仁寺派の禅寺であるが、寺名はほとんど知られていない。しかし、この寺の五重の塔は、祇園から清水寺一帯のランドマーク『八坂の塔』として、広く認知されている。

 清水から八坂神社に向かって、参年坂‐二年坂の土産物屋がひしめく狭い路地をたどると、50m近い高さの塔が現れる。塔の角を曲がって門前に出れば、そこは卍の中心で四方に通じる道がどれも細い通りなので、広がりのある空間になっている。とは言っても100坪足らずのスペースで、法観寺の門があるから門前広場と言えなくもないが、塔を眺めるための街角広場という方が正確だろう。だから、この広場には売店も自販機もベンチすらない。通りすがりに立ち止まって、『これがあの八坂の塔か!』と感じ入る、そんな場である。

八坂の塔 争乱や天災で何度も寺や塔は焼失してその度に建て直されてきたが、その都度寺域は縮小されて今はこの五重塔と、小さな太子堂薬師堂が残っているだけ。それでもこの広場が確保されているのは、塔の霊験のおかげなのだろうか。地元の人は手を合わせ、観光客はここで初めてつくづくと塔を仰ぎ見る。

 タイミングがあって心と時間に余裕があれば、塔に上ってみたい。創建当時から残る礎石に立つ檜の心柱に、全ての力を集中してバランスと構造を保っている高層木造建築の匠の技に魅せられるに違いない。
 そしてこの小さな広場と塔が、祇園~清水一帯の超過密な観光施設の集積エリアを巡る網の目のような路地・小路の中心であり、同時に永い歴史の象徴でもあることに改めて気付かされる。(M)

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