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コラム

2016.06 京の食材…地球を半周して京都で誕生、“準”伝統野菜『万願寺甘とう』

万願寺甘とう 中南米原産の唐辛子が15C ヨーロッパに移植され、ヨーロッパからシルクロードを経てか、或はポルトガル人による海路経由でか、いずれかのルートで17C 頃日本に入り、改良されて伏見唐辛子になる。他方ヨーロッパからアメリカ新大陸に渡った唐辛子は、東部から西海岸に到ってカリフォルニア・ワンダーとなり、太平洋を渡って明治維新後日本へ。この両者が京都の舞鶴で掛け合わされて万願寺唐辛子になった。大正末期――100年ほど前のことである。夏野菜としての評価の高まりに応じて、綾部・福知山・亀岡へと栽培エリアが拡大し、最近は市内の上賀茂・岩倉辺りでも収穫されている。

 しかし、由緒にうるさい京都では、未だに新参者として扱われている。が、誕生したのが西舞鶴の万願寺という地であったのが幸いした。「芸は身を助け、名は実を助く」である。
 巧まずしてブランド戦略が成功し、如何にも伝統野菜っぽい『万願寺』が通名となって、”準”伝統野菜として『万願寺甘とう』という商標で出荷されている。

万願寺甘とう
 肉厚で大きな万願寺は、最早スパイスとしての唐辛子ではなく、惣菜の主役を張るようになった。煮ても焼いても甘くて美味しいが、それでいてピリッとした隠し味もあって、蒸し暑い京都の夏に欠かせない。とりわけ、振りかけたカツオ節がチリチリと巻き上っている焼き立ての万願寺は、ビールの味を一層美味しく引立てる。 (M)

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